ガビーンが似合う

顔文字絵文字にはじまり、写メールから動画まで、メールの表現方法が錯乱するなか、心の擬音語を文字にできる人が身近にいる。
こわもてのオッサンが顔文字を入力したところで、なんら違和感を憶えない昨今、受け取ったメールの『ガビーン』という表現に、一周回った新鮮さを感じた。 そして、もう一つ。 もはや漫画ですら使われない心理描写が、その送信者とマッチしていることも驚いた。
送信者が他の人間ならば、人格丸ごと疑うだろう『ガビーン』の文字も、なぜか彼の名の元に届けられたメールならばしっくり来るのである。
北海道出身とか、彼のひたむきさと不器用加減とか、いろいろ要因はあるんだろうけど、先日ついにその核心を掴めた。
『ガビーン』は心の音ではない。 彼は、驚けば口から「ガビーン」と発するのである。 『ドキッ!』『ぐふふ』『むふ』『ムッカー!』も、全部口から吐く言葉を文字にしている、彼にしてみれば普通の口語体だった。
ついでに加えると、カレギュウを食べ、満員電車に乗ったことを伝えるメール、『電車の中でもギュウギュウ』くらいのギャグは、臆することなく口に出せる強い人間だ。 
僕が彼にメールを返さないワケはまたいつか暇なときに記す。