ホームラン

「メジャー初球は思い切り振ります。振らなかったときはクソボールか、球が速すぎて見れなかったと思ってください」
そう公言してたから、松井稼頭夫の第一打席だけ見てから家を出た。
ほんとに最初の球を打って、バックスクリーンにホームランですよ。
サラリーマンにたとえると、海外勤務初日、オフィスで一番の美人とセックスするくらいの快挙。

ゲイツくん

社会人になって得をすることのひとつは、ありえない人間と仲良くなることかもしれない。 一緒に仕事をしている松尾君が、もし高校時代にクラスメートだったとしたら、きっと会話を交わすことなく一年が過ぎたと思う。
頭の良さをストレートに表現した黒ブチめがね、公害(かわさきぜん息)の認定患者という体の弱さ。
僕があと10歳若かったら、名前が一文字も被らない素敵なあだ名を付けてたかもしれないし、第一印象は和製ビルゲイツだった。 

おばあちゃん

席を譲りずらい状況に自らを追い込むお年寄り。の、典型というか、新手のババア二人組みに遭遇。互いに、自分の身体の欠陥を言い合ってた。
「あたしゃ耳も聞こえないし、目も悪いし、しまいにゃ頭も悪い」
ほとんどこのまんまのセリフ。に、今から仕事をする僕たちの年金が生活の糧かと思うと、少々やるせなくなってしまい、寝たふりをするも、この世界一つまんない漫才が15分続いた。