女子高生風

70人ワンフロアで働いている職場環境だと、ランチタイムに一人きりの男というのも社交性に欠けているように感じなくもない。 しかし女性のそれは数倍は増して近寄りがたさを匂わせる。 と、思う。 
社会人になって数年経つが、いまだかつて決まったグループにも属さず、ランチタイムに孤独を楽しむ女性を見たことが無い。 老いも若きもOLとは、ランチタイムを共にする人間の確保と維持に、日常業務並み、もしくはそれ以上に気を使っているんではないかと想像する。 
今の職場に移ってから、僕は決まった3人の男と昼ごはんを食べに行くようになった。先週の真ん中あたりのこと、その中の一人、年下の友人がランチタイム前にメールを送ってきた。 
「今日、一人でめし食いたい気分っす(笑)」
省略された第二フレーズ以降は、「目上の二人の人間は快く承諾してくれるでしょうか? ランチタイムが終わってもギクシャクせず、明日以降に響かないですよね?」とか、そんなことを意味してるのだろう。 『気分っす(笑)』という表現を現代文法のもと展開すると、おおむね間違ってはいないだろう。 
そこまでランチタイムに気を張る男。 ほんの少しだけ戸惑ったが、人の輪を大切にする男だと解釈して納得することにした。 
「一緒にトイレいこ♪」というメールが届いたら、もう少し深く考えることになるだろう。