06/13

日本でくじごじを見ているみなさん、はじめまして。 ジョホールバルのキムタクことハズルです。  
 
ぶっちゃけここの会社はぼくのかつやくでもっているんですよ。  
なんちゃって。。。  てへ(>_<)
 
ミスタータクオは休暇をとってゴルフに出かけたようです。  ひさしぶりにタクオのパソコンをしらべてみたら、あれ! タクオめ、ホームページなんか作ってるではありませんか!?   
ぼくが日本語を読めないとおもってたらおおまちがいです。 ちくしょう…、ぼくのかっこわるい写真まで無断で…。 今日という今日はほんっっとゆるしません! ぼくだってホームページくらいアップできるんだぞ、このやろ! 
ということで今日はマレーの虎ことハズルが「悪の化身タクオ」をにおとどけします。 

ある日、タクオはぼくにこう言いました。 
「ハズル、オレは海で遊びたい」
この一言で連れていかされましたよ、2じかんかけて海まで。 
タクオはたいそうはしゃぎ、「うみだ!うみだ!」って日本語で叫びながら一目散に波打ちぎわにつっこみ、うきゃうきゃ水とたわむれはじめました。 しばらくすると、「グラビアアイドルみたいな写真がとりたい」と、わけのわからないことを言い始め、ぼくにシャッターを押させます。 
ったく、こんなもんだれが見てよろこんぶだよ!! 
 
だから、だれに見せるんだっつーの!!

 
そんなこんなで、体力をすっかり回復したタクオ。 ごきげん度もますますあがったこのバカは、
「カヌーだ、ハズル!!」と、もう正月とクリスマスとラマダンがいっぺんにきちゃったかのような、こども顔まけのはしゃぎっぷり。 
けれどもぼくは、はずかしながら泳げません。 ぼくだけでなく、この国ではおよげない人はおおいのです。 なのに、
 「いいか、ハズル。 この世でおよげないどうぶつは、サルだけだ。 モグラなんて土の中で一生過ごしているのに、それでも水の中に入れれば泳ぐ。 おまえはもう何度も海を見ているな?」
「やだよ、1人で乗ってくれよ! ぼくは乗らないって!! にんげんだって泳げない人はいるんだ!」
「オレはそんな奴、日本でみたことない。 まあ、大丈夫だって。 ほら、ライフジャケットがあるじゃんか。 万が一何かあったらオレが助ける。 たぶん」
しぶしぶ乗りましたよ。 ぼくにはフィアンセがいるというのに、アラーの神に全てをたくして大海原に飛び込みました。

沖へ出たら最後。 ウキャウキャ言いながら1人だけカヌーから飛び出すし。 ほんと、オールでつっついて沈めてやろうかと思いました。そんでもってカヌーに乗り直すときに海に落とされるしまつです。
「ほら、ハズル。 ライフジャケットがあれば大丈夫だろ。 ちょっと泳いでみろよ」 
あ、ほんとだ。 これがあれば海の上で浮かんでいられるぞ! 足が届かない、そんなふしぎな感触を楽しめるのです。 ありがとうライフジャケット。 ありがとうアラー様。 そして、ありがとうタクオ…。 タクオ? タクオーーー!!! てめーいつの間に!
カヌーに乗った、100点満点のえがおをかがかせたタクオは、ぼくをオールでつっつきまわしました。
そんな日本からの地獄の使者、タクオともあと2週間でお別れです。 電話で夜中呼び出されたこともありました。 
呼び出しじゃなくても、「ハズル、辛くない牛肉の入ったチャーハンを頼んでくれ」
コトバが通じないならレストランに1人で行くなよと思いながらも、ウェイターに電話ごしで奴のために注文したことも。 
今となっては良い思い出かもしれません。 辛かった日々よ、さようなら。 

  
「てめー、ハズル! オレのパソコンでなにやってんだよ!!!」
「あ、あああああ、ちがうんです、タクオ。こ、これは、海よりも深いわけがーー!!!!」