06/12

お金が闇夜に消えた。 いや、消えたわけではない。 舌を入れるほどのキスと、お酒と、藤川さんのゲロに変わった。 あ、あと藤川さんはクラブ女性とトランプもしていた。 
僕はというと、自分の隣に座った色白の女の子とジャレ合い、おっぱい接触を試みたが彼女はそれに気づかない。 乳首を守る液体ブラは相当分厚く、化学製品と戯れていたようなもんだった。
性的アピールと、セックスに至ったときに生じる男性自身の失速を天秤にかけ、前者を選ぶ女性の数だけブラが売れている。 液体物じゃないけど、『天使のブラ』は本当に優れたキャッチコピーだった。 『天使のブラをつけるべき女性は、悪魔みたいなもんです』が、サブリミナル効果として働き、外見だけでも綺麗な胸の形を保ちなさい、と伝えるには十分な映像とメッセージを世に流した。
男だってカツラで騙す人がいるでしょう?という、等価交換には程遠いアイテムを差し出す女性がいるが、セックスする際、脱ぎ捨てたシャツの上へ丁寧にズラを置く男はいないので、決して同じものと考えてはいけない。 とりあえず、ずらしたら直すのが礼儀だと思う。 直しとけ。
高いお金を払い、化学製品を触らせられたことが今回の論点なのです。 決して領収書が会社の経費にならない可能性を秘めてるから怒ってるわけではなくもない。 芸術品における贋作とホンモノの価値の差を考えたとき、あの領収書の分け方は5対1で僕が1になるはずです。 
今日、僕が藤川さんに伝えたいことはこれだけだ。