2003/04/01

天気が良いので、最後の1個のドラゴンボールを探しにおでかけ。 
直射日光が強いので、佐藤君に日焼け止めを貸してもらう。 もちろん、彼は連れて行かない。 きっと下らない願い事を先に叫んでしまうにきまっている。 『僕をおいてどこへ行くんだ?』と、怪訝そうな顔をしていたけど、クロールの息つぎを確認してるフリをしたので、大方プールにでも行くと思い込んだはずだ。 
買い置きした桃の天然水をヒューヒューして飲んだ。 もうかなり歩いてる。 レーダーは確かにこのあたりを指しているのだが…。 周りの人に、「こんなボールを見たことありませんか?」と四星球を見せてみた。 皆が「知らない」と口を揃えたが、「もしかしたら長老なら分かるかもしれない」と群集から声が漏れ、筋肉質な若者が村外れの家を案内してくれることになった。 
自然光と風の流れを計算したリビングがご自慢の4LDK。 筋肉質な若者(以下ケイン濃すぎ)は僕に相槌を打ったので、長老にドラゴンボールを見せた。 共鳴して光る四星球。 まぶしそうに目を凝らしながら見つめる老人。 「ん!?」 ふと何かを思い出したのだろうか、深く刻まれた目尻のシワが伸びるほどカッとまぶたを開き、 
 「この球に良く似たものがわしの蔵にある」 
と、しわがれた喉を鳴らした。  
30分後、「さあ、もって行きなさい」と差し出されたのはサッカーボールだった。ファンタジスタとまで称された僕の左で、ケイン濃すぎもろともふっとばした。 長居は無用。 玄関で靴を履こうとしゃがんだら、下駄箱の下にうっすら光る球を見つけた。 手が届かないけど、あれは確かにドラゴンボール。 
面倒くさいので、手元にある6個のドラゴンボールを下駄箱の下に転がし、「いでよドラゴン」と叫んだ。 
いでたドラゴンに向かい、願いごとを言おうにも長老が泣き叫んで龍の耳には届かない。 神龍が出てくる際、家が半壊したのでブーブー言ってるのだ。 「屋根を直せ」の声に反応してしまい、神龍的には自分で壊した屋根を直して消えたってところだ。 
 
とんだ骨折り損のくたびれもうけだった。  
 
うそーん。 エイプリルフール。