03/25

スノーボードに挫折したのは二十歳のころだ。 リフトに乗り、コケながらも滑り降り、そのまま下山した。 
『痛くて寒い』 
僕の嫌いな要素が2つも入っているのが主な原因だった。 夜通し運転して混みあったゲレンデに辿り付き、疲れた体にムチ打って滑るなど、僕に言わせてもらえば修行以外の何物でもない。 スキーは痛くなかったから許すが、スノーボードは一生許すことはないだろう。そして27歳の春、僕はウェイクボードに出会った。 
これは水上スキースノボー版。 ボートに引っ張られながら海を滑る、暖かくて痛くない画期的なスポーツだと思う。 思っていた。 大きな間違いだった。 
水面で立てるようになるまでに案外時間がかかる。 コツを掴むまで5回以上くりかえし失敗しましたが、下の図だけ守ってれば自然に体が起き上がるので、やる機会がありそうな方は憶えておくと良いと思います。

立ち上がるまでは、進行方向と板は直角の位置にしておき、立ち上がってから任意の足を前に出す。 慣れるとここまでの動作は力学的に無理なくこなせます。 その代わり、ボートが進み出すときに「正解」の状態にしておくことが条件。 イメージ的に、水面上に板を浮かせなければいけないと勘違いしていたのですが、沈んでいてもボートが走り出せば勝手に立ち上がれます。
ちなみに「ダメ」のまま、無理やり踏ん張って立とうとすることは、腰の破壊への第一歩です。 背筋力以上の力が腰にかかり、五回繰り返したところで違和感を感じ、そのまま遊び続けていた結果、現在歩けません。 
さて、立てるようになってから、何度か顔から水面に突っ込んだので顔面も軽くはれています。 ヨボヨボと手すりをたよりに歩き、片目が開かない今の僕は、最終巻の矢吹丈よりも灰に近い。 
しばらく風俗とゴルフは無理だし、ローラー靴も履けやしない。 
 
何もやることないってことだ。