01/27 一時帰国中

確かにそのオウムは利口さ。
ただ、しゃべる内容がクソ生意気だ。勘にさわることばかり言いやがる。
「てめー、最近太ってきたな。」 なんて、まだかわいいもんさ。
彼女が泊まったその明け方、「おまえ、あれじゃ女は満足しないだろ。」と、キッチンにまで響くような甲高い声で鳴いた。 彼女どころか、隣近所にまで聞こえたかもしれない。 
賢いのはよく分かった。だが、いくら注意したところで口の悪いのは直らない。仕方なく、俺はそのオウムを冷凍庫に閉じ込め、力づくでも分からせようとしたんだ。
「開けてください!」 「もう生意気なことは言いません。」 「わたくしはあなたがいなければ生きていけません。」 「ご主人様、あなたをペットショップで一目みたときから、運命の人だと感じていました。」 
冷凍庫から聞こえる、必死の言葉の数々。 最後に弱弱しく、「お願いします、ここから出してください…。」という懇願の声に、冷凍庫を開けてやった。 まだ5分も経っていない。 さすがに凍ったりはしてないだろう。 
パタリ
「まことに申し訳ございませんでした。 あなた様の恐ろしさ、よく分かりました。 これからは心を入れ替え、あなたと暮らしていきたいと思います。」
よっぽど体にこたえたのだろうな。 震えているのは寒さのせいだけではなさそうだ。 やつは羽ばたき、俺と少し距離を開けて、また小さな声で話し掛けてきたのさ。
 
「あのー。ひとつお伺いしたいのですが…。」
「ん? なんだ?」
「冷凍庫にいたチキン、彼は何をしでかしたのでしょうか?」
って困惑した顔で言うんだよーー! うわっはっはー!! 
 
っていう、アメリカンジョークを聞かされ、困惑した週末だった。